Design

そこにいるだけで身体が浄化されていくような
特別な空気をまとった建物。
そんな“気”を大切にリノベーションしました。

メインビジュアル
Introduction

神社の木々も本殿も
「KIROKU」の借景。
これだけ贅沢な空間は
滅多にありません。

神主の家だからこそ、贅を嫌う質素な家でした。一般的には古民家として価値がないランク。取り壊されるのは当然の運命だったのかもしれません。そんな家を「残したい」と感じたのは、地元の人が空き家になってもずっと管理してきた愛着と、神主の家ならではの特別な空気感を感じたから。地元の方から相談を受けた時「引き受けます!」と思わず答えてしまいました。その後、地元説明会でもほぼ全員が計画に賛同してくださったのは、本当に嬉しいことでした。「IZUMI」や「SEN」と比較すると、材はけっして良くありません。でもこの家には特別な空気が流れていました。リノベーション時にはその爽やかな「風」のような空気感を、空間として、そして実際の「風通し」として表現しました。南北両側に大きな窓を設置し、どの場所にいても通り抜けていく風を体感できる家にしました。もちろん冬は風をシャットアウト。断熱も完璧に施しています。質素な家だったからこそ、リノベーションにおいても強い主張を避け、過ごしやすい家にしています。神社の境内に続く庭を眺めながら、ゆっくりお過ごしいただければ幸いです。

Creative direction

総合ディレクション・企画は、
自遊人の岩佐十良。

Creative director

岩佐十良

岩佐十良

1967年東京生まれ。武蔵野美術大学在学中に会社を創業し、のちに編集者に転身。2000年、雑誌「自遊人」を創刊。2014年、新潟大沢山温泉にオープンした『里山十帖』では、総合ディレクションを担当し「グッドデザイン賞 BEST100」を受賞。自社で運営するホテルだけでなく、他社のホテルやレストランの企画・ディレクション、運営支援を行うなど活動は多岐に渡る。2016年〜18年、2021〜22年グッドデザイン賞審査委員。多摩美術大学客員教授、武蔵野美術大学客員教授。

【主な受賞歴】
2014年 里山十帖『グッドデザイン賞BEST100』『ものづくりデザイン賞』、2017年 『Forbes 地方を変えるキーマン55人』選出、2019年 箱根本箱『グッドデザイン賞BEST100』、2020年 講大津百町『クールジャパン・マッチングアワード2019』特別賞受賞