里山十帖周辺も、いよいよ紅葉が終盤を迎えています。今日はしとしと降る雨。湿った枯葉の香りが山に満ちています。
この季節、里山十帖のキッチンは「猛烈に忙しい」時期。なぜなら雪がドサっと降るのはもう時間の問題。11月末から12月の初旬は「降ってしまったらできない仕事」がたくさんあるのです。
その一つが沢庵漬け。気温が高いと漬けた後にぬかが腐敗してしまうため、美味しく漬かりません。そこで例年ギリギリ遅い時期に漬けるのですが、そのタイミングは高い山々に雪が降ってから。里にも雪の香りがしてくる頃です。
そしてちょうど本日、里山十帖では干していた大根を木桶に漬けることができました。あとは無農薬の米ぬかと木桶に棲んでいる乳酸菌が美味しく育ててくれるはず。
そして思うのは、山の空気で干した大根は格別に美味しく漬かること。たぶん、おそらく、山に棲んでいる天然酵母が干している大根の表面に付着しているからなのでしょう。里山十帖の沢庵は、味にかなり複雑味があります。
「風土に根付いたこの土地ならではの食を」。
里山十帖の冬は「発酵食&保存食」一色。色味は茶色く、地味なものばかりですが、食べることで、雪国の知恵を感じていただけると思います。
*掲載されている情報は、投稿時の情報です