ヒトサラ「Best Chef & Restaurant 100」。今年も里山十帖&桑木野恵子が、この栄誉あるアワードに選出されました。そしてさらに嬉しいのが、今年は100軒のうち19軒以内になる「2トック」に選んでいただいたこと。尊敬するAiDAの小林寛司シェフやRYUZUの飯塚隆太シェフ、石かわの石川秀樹シェフと同じ2トックを頂戴したことについては、嬉しいことはもちろんですが、それ以上に恐縮するというか、畏れ多いご評価で身が引き締まります。
このアワードは、シェフがシェフに投票するという仕組み。2トックは10人以上19人未満の推薦に与えられるそうですが、桑木野を推薦していただいた10人以上のシェフには感謝しまありません。本当にありがとうございます。
里山十帖はもうすぐ開業8年を迎えます。開業前から里山十帖のキッチンに入り、毎年少しずつ、新潟・魚沼の風土・文化・歴史を学んできた桑木野。山菜も、野菜も、採れるのは一瞬。山菜はもちろん、ほとんどの野菜の旬は1週間以内で、当然ながら料理は絶えず変わっていきます。いわゆるシグニチャーはありませんし、そもそも作れないのが里山十帖の料理です。
キッチンにある食材が毎日違うので、料理の完成度という視点で見れば決して高いとは言えないかもしれません。でも里山十帖では「それでいい」と思っています。というより「そのほうがいい」と思っています。食材を固定して完成度を上げるより、季節とともに、素材に寄り添い、その声を聞き、その日、その時を料理で表現していく。それこそがローカル・ガストロノミーであり、「生きていくための食」の本質に近いと考えています。
とはいえ、わざわざお越しいただくお客様には、申し訳なく思うこともあります。当然ながら日によって、料理にばらつきがあります。食材同士がバシっとはまる時がある一方、ズレる時もあります。毎日異なる食材をどのように組み合わせ、またどのような料理をどの順番でご提供するのか? 桑木野だけでなく里山十帖のキッチンスタッフは、毎日食材と料理のテトリスをやっているようなものです。
お客様に約束できるのは、「今年より来年、来年より再来年、新潟・南魚沼の気候・風土・文化を学んで料理に活かす」こと。その延長線上に味の向上があると考えています。
昨年からたくさんの評価をいただき、本当に感謝しております。今後とも里山十帖と桑木野恵子をよろしくお願い致します。
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