料理界でもっとも信用力の高い雑誌といえば「料理通信」。その発行元、料理通信社を擁するアマナグループ天王洲オフィス内にある交流スペース「meet-in cafe」で、「新潟フルコース」というイベントが開催されました。
名前のとおり、新潟のすべてを満喫していただこうという会なのですが、そんな重大イベントの料理を、私たち里山十帖が担当しました。
東京・天王洲の同スペース「meet-in cafe」で料理をご提供したのは、里山十帖のスタッフ5名。アウェイでの料理提供が難しいのはもちろんですが、それより何より、東京のど真ん中で新潟の風土と文化を感じていただくのは本当に難しいこと。里山十帖にお越しいただければ「体感」することで料理にストーリーが生まれるのですが、ここは東京。里山のスタッフたちも「とても悩んだ」会だったようです。
そこで最初の料理は御膳でご提供することに。北前船全盛の時代、新潟湊は日本海最大の湊。文化の集積地として栄えました。一揃いの漆器も、伊万里から運ばれた磁器も、その象徴。新潟湊からは日本一の大河、信濃川を小舟で物資が上り、魚沼地域にも京都をはじめ、全国の文化が流入して、さらに独自の文化が育まれたのでした。
料理も過度に飾りつけたり、演出することなく、むしろ里山十帖よりもシンプルに。醤油や塩、味噌などの調味料をできる限り使わず、発酵食品の持つ味を重ねて調味料がわりにしました。
発酵食品にも塩は使われていますので、塩分は塩分なのですが、単に塩を加えた味と発酵食品を多層にした味では、旨味が全く違います。そして塩角も取れているので、とても優しい味。「素材本来の味といつもと異なる旨味のある塩分」を裏テーマに料理をご提供したのでした。
ここではお名前を明かせませんが、参加されたお客様は日本を代表する料理関係者ばかり。素晴らしい機会を与えてくださって、本当にありがとうございます。
これからも精進したいと思います。皆様のご支援をいただければ幸いです。
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