新型コロナの騒動以降、毎週、全施設・全社員を集めてビデオミーティング(研修)をしています。感じたことをレポート提出してもらっているのですが、ミシュランの星が私たちにとってどれだけ嬉しかったのか、シェフの桑木野のレポートに現れていました。本人の了承を得たので、ここに一部を転載します。自分たちの施設、内輪の話ではありますが、ちょっと感動します(岩佐)。
このレポート提出期間中に、ミシュランガイド新潟特別版の発表がありました。 結果は星1つ。ほとんど諦めていた私にとって、その結果は本当に腰が抜けるほど驚き、また一 気に様々な感情がこみ上げてきました。
ミシュラン発表から数日、自身を省みる中で、一番思うのは「全力で責任を全うする」と言うことです。今でも覚えているのが、里山十帖に入った頃、自分の技術にも自信がなく、会社の求めることにも応えられず、悩み葛藤していた時に、藤本さんが何気なく「1つのことを真剣に3 年やれば何かしら形になるんだよ」と言って頂いたことです。
気づけば、あれから5年が経ち、ミシュランの1つ星を獲得することが出来ようとは、あの時の私からは、全く想像が出来な かったことです。 私はこう見えて、自己評価が非常に低いです。(生意気なので、あまりそう見えないようですが。。。)
毎日料理を作るときは、いつもプレッシャーで押しつぶされそうになりますし、自分の技術力の無さに、ほとほとガッカリすることばかりです。 それでも、日々自分を振り立たせ、毎日厨房に入り、日本中、世界中のレストランを食べ歩き、本を読み、年に一度は必ず、別の レストランの厨房に研修に入り、料理と向き合ってきました。それでもいつも自信を持てずにい ました。
私にとって、ミシュランの星は、ようやくスタートラインに立たせて貰えた、証しのようなも のです。「料理人」と呼ばれることに、居心地の悪さを感じ、北崎さんや佐々木さんのような技術もないことに引け目を感じていた私にとって、今回のまさに奇跡のような快挙は、この6年間 を見ていてくれた神様が、「大丈夫だよ」そっと背中を押してスタートラインに立たせて貰えたとたんだと、感じています。
そして、今回のミシュランの快挙が、もし今悩んでいる人にとって、「全力で責任を全うする」 ことで、必ず道は開けるし、苦しくても辛くても、それは決して無駄にはならないんだと、いう 希望になればいいなと思います。だって、全然走れなかった子供が、国体で入賞できたようなも のですから。。。
ようやくスタートラインに立てました。これからも大切な仲間と一緒に里山十帖を素晴らしい 場所にしていきたいです。
桑木野恵子
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