里山十帖の料理は1週間として同じものを提供することがありません。それは日替わりメニューを演出したいわけでも、暦に合わせているわけでもありません。「その日に入る食材を自然に調達」すると「暦にあっていく」のです。
現在の暦は【霞始靆】(かすみはじめてたなびく)。積雪は2メートル以上ありますが、空気には明らかに春を感じるようになってきました。この季節、雪上にも霞がたなびき始めるのです。そして木々は春に向けて活動を始めています。
そんな季節を感じていただくための最初の一品が「目覚め・イタヤカエデの樹液」。
里山十帖では裏山に自生するイタヤカエデの樹液を採取しているのですが、樹液は本当に不思議。地表からわずか4メートル地下水を吸い上げただけで甘みと香りを持つのです。しかもその甘みと香りは目覚めの季節だけ。雪が溶ける頃には消えてしまうのです。わずか数週間、一ヶ月足らずの味。
試験管の左側は大沢山の湧き水、右側が樹液。水を飲んでから樹液を飲むと、その神秘に誰もが感嘆の声をあげます。ぜひ目を瞑って、木々の目覚めを感じてください。
今週は空室があります。ぜひ豪雪の中に春の息吹を感じにお越しください。
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