10月31日から東京ミッドタウンで「グッドデザインエキシビション2014」が開催されています!
自動車や家電など大手メーカーひしめくなか、里山十帖はグッドデザイン賞、しかも「BEST100」に選出されました。「BEST100に選出された理由は?」と聞かれることも多いので、少しずつ里山十帖のコンセプトを解説していきたいと思います。(クリエイティブディレクター 岩佐十良)
【メインコンセプト】
Social Line Design
“つながり”をデザインし、新しい道をつくること。
ライフスタイルを提案・発信するリアルメディア「里山十帖」。
里山十帖は今までの旅館とはまったくコンセプトの異なる施設です。いわゆる「お篭もり宿」ではありませんし、サービスを競う宿でもありません。ましてや「お・も・て・な・し」をウリにするつもりは毛頭ありません。
では何が特徴なのかといえば、それは「十帖」、十の物語。
日本の食文化や伝統野菜を現代に甦らせることを目的にした「食」、
農業を経済的に自立させるための方策を考えた「農」と食の連携、
単に古いものを残すのではなく快適さを考えた「住」の提案、
古民家には初めて導入された空調設備とエネルギーミックスなど「環境」への配慮、
美術大学との産学協同やアーティストに各所を開放した「芸術」への取り組みなど、衣・遊・癒・健・集の全10テーマで構成されているのです。
もう少し簡単に説明するならば、「リアルな体験を通じて五感を刺激するだけでなく、単純な温泉旅行に留まらない新たな旅のスタイルや目的地を生み出すこと」。実際にほとんどのお客様が、里山十帖でなにかを感じていらっしゃると、接客の現場やアンケートなどから実感しています。
もちろん、実際お泊まりの方にしちめんどくさい説明は一切しません(求められない限り)。お客様に感じていただくことがなにより大切。日本人はアートを観賞する際に、とかく解説を求めがちですが、重要なのは感じること。解説に納得することではありません。
同じように、里山十帖もあえて説明は少なめに。一から十まで解説するのがサービスという考え方もありますが、それではつまらないと思うのです。
感じ方は人それぞれ。露天風呂に浸かりながら刻一刻と変わる山々を眺めて自然の雄大さを感じる、お米の美味しさに気付く、ラウンジで居合わせた方と意気投合する(2人の間は邪魔しないでくださいね・笑)……。
マニアックな方は古民家の釘を使わない構造に興味を持たれるかもしれませんし、だしや調味料による味の違いについて考える方もいらっしゃるかもしれません。
「Social Line Design」とは、まず「気付く」環境をつくることが第一歩。そして人々が「集い」つながれば、自然と「新しい道」が開かれます。それはつまり、デザインの本質を考えること。そして、私たちがもっとも得意とする「編集」とも似ています。
「グッドデザイン賞 BEST100」。審査員評には「宿とサービスを提供するしくみだけでなく、高いクオリティでまとめられたデザインも高く評価された」とありますが、仕組みと造形の両面から評価されたことは、私たちにとって大変嬉しいことです。
さとやまから始まる十の物語「里山十帖」。「グッドデザインエキシビション2014」に、そして現地へ、ぜひお出かけください。
【里山十帖】www.satoyama-jujo.com
【グッドデザインエキシビション2014】
2014年10月31日(金)~11月4日(火)/11:00~20:00
会場 東京ミッドタウン各所/「里山十帖」のあれこれは、地下一階、第一会場「グッドデザインベスト100特別展示」内に!
http://www.g-mark.org/gde/2014/
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