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Oze:「遙かな尾瀬」へ行くには早めの予約を!

尾瀬といえば雪解けとともに咲く水芭蕉が有名ですが、
花よりも素晴らしいのが、季節ごとに山と森の色が変わっていくこと。
5月はまだ一面の雪。6月になると残雪に新緑が芽吹き、山の色が毎日変わっていきます。
9月中旬には一面の草紅葉、10月初旬には紅葉が始まります。
散策するなら初夏と秋、山に登るなら夏。
ちなみに水芭蕉の季節は5月末から6月中旬。
「夏の思い出」という曲、実は「初夏」の歌なのでお間違えなく。

「遥かな尾瀬」への行き方

尾瀬国立公園は、新潟ほか4県の県境にまたがる日本有数の水源地帯。新潟県から入る「魚沼尾瀬ルート」は『尾瀬十帖』のある奥只見湖から只見川の水源を辿る道でもあります。

アクセスの利便性では群馬県からの「鳩待峠ルート」や「大清水・三平峠ルート」にかないませんが、源流を辿る魚沼尾瀬ルートは尾瀬への「正規ルート」とも言えるわけです。作家の開高健氏が愛した奥只見湖(銀山湖)を遊覧船で眺めつつ、原生林を走るバスに乗り継ぎ、「遥かな尾瀬」をお楽しみいただければ幸いです。

ただし奥只見湖遊覧船&バスは一日二往復のみ。朝と夕方の二便なので“行って帰ってくる”には一日一便しかありません。3日前までの要予約(空席があれば前日まで予約可能です)なので、計画が決まったら早めにご予約ください。

自分の車で行く場合は、『尾瀬十帖』から湖岸を走って「尾瀬御池」まで約70分(舗装路ですが道が細くカーブが多いので運転に自信のある方向き)。尾瀬御池からはバスで「沼山峠」まで20分です(尾瀬御池から先はマイカー規制で一般車は入れません。バスは30分間隔で運行しています)。

なお例年、魚沼尾瀬ルートの遊覧船&バスの運行は6月初旬から10月中旬。尾瀬御池から沼山峠へのバスも10月末までの運行です。11月以降は尾瀬十帖近くの枝折峠の滝雲が美しい時期。サウナも最高の季節なので、尾瀬十帖周辺で大自然を満喫してください。

魚沼尾瀬ルートの予約先
魚沼市観光協会 025-792-7300
https://www.iine-uonuma.jp/activity/climbing/oze/oze06/

日帰り・初心者向け

尾瀬でも花が多い大江湿原&尾瀬沼へ。

尾瀬といえば「尾瀬ヶ原」と「尾瀬沼」が有名ですが、魚沼尾瀬ルートでアクセスしやすいのは尾瀬沼。沼山峠から尾瀬沼はゆっくり歩いても1時間ちょっと、しかも登り下りが少ないのが特徴です。

バス停から25分ほどゆるやかな道を登って展望台に出たら、あとは下るだけ。10分ほどで花の多さで知られる「大江湿原」に到着、その後はほぼ水平な木道を散歩気分で30分、あっという間に尾瀬沼です。尾瀬沼のほとりにはクラシカルで風格ある『長蔵小屋』があって、ランプの灯る別館ではピザやナポリタンなどのほか、ケーキやコーヒーを楽しむこともできます。コースはほとんどが木道で危険箇所もありません。

図が入ります。

服装は? 靴は?

・動きやすい服なら上下なんでもOKです。ただし雨に備えてレインウェアは必携(折りたたみ傘でも大丈夫ですが、レインウェアは風の強い時の防寒具にもなります)。春や秋はかなり寒いので防寒具(フリースなど)も必携です。
・靴はローカットのスニーカーで大丈夫ですが、朝露や雨で濡れた木道はかなり滑るので、滑りにくい靴がベストです。
・目指す尾瀬沼東岸には山小屋が営業するカフェや売店もありますが、臨時休業のこともあるので最低限の水と行動食は必ず持っていきましょう。
・トイレはすべて有料(100円以上の寸志)です。100円玉を複数持っていきましょう。

山小屋1泊・初心者向け(ちょっと健脚)

ほぼ平坦&木道! 尾瀬沼&尾瀬ヶ原&三条の滝

「せっかくだから尾瀬沼だけでなく、尾瀬ヶ原にも行きたい」という方は、初日、尾瀬沼から足を伸ばして尾瀬ヶ原の「見晴」へ。尾瀬沼からは標準コースタイムで2時間40分、尾瀬沼でランチを楽しんでも16時には到着します。見晴地域には、「タイムスリップした?」と思うほどクラシカルな外観の『弥四郎小屋』、「山小屋でこんな料理が食べられるの?」という『尾瀬小屋』など個性あふれる山小屋がたくさんあります。

しかも超ハイクオリティな山小屋ばかり。2名以上ならほとんどの小屋が個室! お風呂もありますし、トイレは水洗です。さらに30分ほど先の『温泉小屋』に泊まれば温泉も楽しめちゃいます。

翌日は尾瀬ヶ原を散策して、さらに三条ノ滝を見に行って、という尾瀬フルコースな内容。三条ノ滝からは沼山峠には戻らず、裏燧林道を歩いて尾瀬御池へ下山します。

コースはほとんど木道ですが、温泉小屋から三条ノ滝周辺は登山道。三条の滝展望台付近と裏燧林道は木道が壊れかけている部分もあります(とは言っても道標完璧、危険箇所はありません)。

アップダウンはほとんどありませんが、それなりに行動時間が長いのでそこそこ健脚向き。毎日走っている人や営業の外回りで日々歩いている人であれば、まったく問題なく歩けるでしょう。

図が入ります。

服装は? 靴は?

・行動時間が長いルートでいちばん気をつけたいのは天候の急変。出発時には晴れていても昼過ぎに雨が降り出すことは山では珍しくありません。夏でも条件が悪いと低体温症で死亡することもありますので、速乾性のある最先端素材、保温性を兼ね備えた登山用メリノウールなどの上下、さらに風と雨を凌ぐレインウェアは必携。濡れた際の小屋での着替え、朝晩はかなり冷え込むので防寒着(フリースなど)も必携です。
・ザックの防水に「ザックカバーのみ」という人も多いのですが、ザックカバーは長時間の雨にはまったく耐えられません。山小屋での着替え(寝巻き兼用)、タオル、アメニティなどは必ず防水スタッフバッグ(ゴミ袋二重でもOK)に入れてからザックに収納してください。
・靴はハイカットの登山靴でもいいのですが、木道を長時間歩くと足が思いのほか疲れるので、ソールが柔らかくクッション性の高いランニング用のローカットシューズがおすすめです。ただし雨に備えてゴアテックスなどの防水であること、滑ららないソールであることが条件。防水透湿メンブレンの入ったトレランシューズがベストです。
・1日目は尾瀬沼東岸の売店(長蔵小屋)、沼尻休憩所には自動販売機&トイレがあり、水の補給もトイレも困りませんが、2日目は温泉小屋の先にトイレ&売店はありません。宿泊する見晴の山小屋で水と行動食をしっかり補充しましょう。
・トイレはすべて有料(100円以上の寸志)です。100円玉を複数持っていきましょう。

山小屋1泊・中級者向け(かなり健脚)

日本百名山の燧ヶ岳へチャレンジ!

「やっぱり山は登らないと!」という方は、日本百名山の燧ヶ岳に登るコースがおすすめ。初日は前出の初心者向きと同じく、沼山峠から尾瀬沼経由で尾瀬ヶ原の見晴へ。2日目は見晴から燧ヶ岳に登って尾瀬御池に下山します。

2日目はちょっとハードなので6時30分出発。最初はなだらかな道ですが徐々に勾配がきつくなり、最後はかなりの急傾斜。水平投影距離だとわずか3.7キロですが、実際登ると頂上(柴安グラ)まで4時間20分かかります(健脚な人でも3時間程度)。下りもかなり長く、合計コースタイムは7時間20分。時間だけ見ると尾瀬ヶ原&三条ノ滝コースとあまり変わりませんが、体力消耗度ははるかに高いので足に自信がある人向きです。

なお燧ヶ岳への登山道はトレッキングシューズと登山装備が必須です。毎年6月下旬まで登山道に雪渓が残るため軽アイゼンかチェーンスパイク必携。もう少し早い時期、水芭蕉のシーズンに登るなら山頂から御池側に下る雪の急傾斜が極めて危険なためアイゼン&ピッケルが必要です。なお燧ヶ岳への登山道は、雪解けシーズンはもちろん夏になってもぬかるみが多く、雨が降ったあとは沼のようにグチャグチャなのでスパッツ(ゲイター)を付けることをおすすめします。

図が入ります。

服装は? 靴は?

・必ず登山装備で登ってください。燧ヶ岳は標高は2356メートルと高く、しかも独立峰なので風がとても強い山。天候が急変すると猛烈な嵐になることもあります。夏でも低体温症で死亡する危険性があるので、防寒着&レインウェアは必携です。
・尾瀬ヶ原では水芭蕉が見頃でも(5月下旬から6月中旬・その年の雪の量による)、燧ヶ岳の登山道には雪が残っています。見晴から燧ヶ岳(柴安グラ)に登頂できても、その先、柴安グラからの下りは50度以上の急傾斜(雪面)。アイゼン&ピッケルを持たずに登ると重大事故につながります。万全の装備で登山を楽しんでください。
・靴はローカットにするか、ハイカットにするか悩む方も多いでしょうが、岩場やぬかるみが多く、遅くまで雪も残るのでハイカットの登山靴がベストです。
・見晴の先、下山する御池まで、トイレも売店もありません。

山小屋2泊・上級者向け(健脚)

尾瀬縦断。日本百名山・燧ヶ岳&至仏山の二座制覇

魚沼尾瀬ルートを夕方の便で御池に入って、その日は歩かずに御池ロッジに宿泊。2日目、日本百名山の燧ヶ岳に登ってから尾瀬ヶ原に下りて1泊。3日目に朝靄に包まれる尾瀬ヶ原を縦断してからもう一つの日本百名山、至仏山に登って鳩待峠に下山、バスで上越新幹線の上毛高原駅を目指す尾瀬フルコース。2日間の総歩行距離21.2キロメートル、累積標高差登り1790メートル、下り1690メートルという健脚向きルートですが、特に危険箇所もなく快適に歩けます。

御池から燧ヶ岳への登りは標高差1004メートル。尾瀬ヶ原からのルートと比べて急登が少なく、途中、ほぼ1時間おきに広沢田代、熊沢田代と2つの湿原が現れるので、花を眺めながら、休憩しながら、楽しく登れるのが特徴です。そのかわり尾瀬ヶ原への見晴新道はちょっとハードな急降下。後半はぬかるみも多く、気を抜くとズルッと滑って泥まみれ。思いのほかスピードが上らないルートです。

とはいえ尾瀬の山小屋にはお風呂があります。仮に泥まみれになっても風呂に入って着替えればそれも楽しい思い出。尾瀬ヶ原の東端である見晴地域には「尾瀬小屋」など美味しいごはんを食べられる山小屋が多数あるので、ワインと食事を楽しみつつ翌朝に備えましょう。

翌朝は朝食ではなく「弁当」にしてもらって、夜明けとともに朝靄の尾瀬ヶ原を縦断します。尾瀬ヶ原がいちばん美しい時間であることはもちろん、早朝の尾瀬ヶ原にはほとんど人がいません(水芭蕉シーズンを除いて)。2時間弱で尾瀬ヶ原の西端、至仏山への登り口である山の鼻に着きますが、途中で写真を撮っていると3時間ほどかかるかもしれません。おおよそ9時までに山の鼻から登り始めれば至仏山の山頂に12時、鳩待峠に14時下山、乗合バス(乗合タクシー)で尾瀬戸倉まで行って15時12分発の上毛高原行きの最終バスに間に合います(13時台からほぼ1時間おきにバスが出ています)。夏など夜明けが早い時期なら2日目の行程をすべて前倒しに。戸倉バス停近くにある「尾瀬ぶらり館」などの温泉に入ってからバスに乗れば最高です。

服装は? 靴は?

・必ず登山装備で登ってください。燧ヶ岳は標高は2356メートル、至仏山は2228メートルとともに高く、御池や尾瀬ヶ原がほぼ無風でも山頂は強風のこともあります。さらに夏の午後は猛烈な雷雨になることも多く、悪条件が重なると夏でも低体温症で死亡する危険性があります。防寒着&レインウェアは必携です。
・例年6月下旬まで燧ヶ岳の登山道には雪が残っています。また燧ヶ岳の柴安グラ直下には50度以上の雪面の急斜面があり、6月初旬までアイゼン&ピッケル、それ以降も6月下旬まで軽アイゼンかチェーンスパイクを携行してください。
・尾瀬ヶ原の木道歩きも長いので靴はローカットにするか、ハイカットにするか悩む方も多いでしょうが、残雪のある春から夏はぬかるみが多いのでハイカット、秋はミドルカットやローカットがいいかもしれません(秋でも見晴新道は雨が降るとぐちゃぐちゃです)。
・燧ヶ岳は宿泊する見晴までトイレも売店もありません。尾瀬ヶ原には途中の龍宮小屋、山の鼻にもトイレがあり、水などを補給できます。

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