Mission
2014年、「さとやまから始まる10の物語」をコンセプトに始まった『里山十帖』。「真に豊かな暮らし」を提案・発信することを目的に「体感するメディア」として、たくさんお客様をお迎えしてきました。そして2021年、私たちは新たな「体感メディア」をスタートしました。各地に残る日本古来の貴重な「古民家」を残すこと、そして繋ぐこと。住む人のいなくなった空き家を村の方にとって「自慢の古民家ヴィラ」に変え、宿泊する方には「古き良き日本の体験を」提供する。集落に一棟だけしかなくても「自慢できるホテル」があることが、農林漁村に変化を起こす起爆剤になるのではないかと考えているのです。それが「THE HOUSE PROJECT」。
今、日本中の農林漁村で空き家が増え続けています。さらに顕在化しつつあるのが「集落そのものを維持できるのか」という根本的な問題。観光地ならまだしも、なんでもない集落の空き家は朽ちていく運命にあります。「集落をまるごとホテルに」というプロジェクトもありますが、オペレーションで黒字を出すにはまとまった棟数が必要になり、日本中で展開していくには無理があります。一方、最近では不動産運用の側面から「完全無人」のローコストオペレーションで宿泊業に参入してくる企業もあります。しかしこれらの「別荘型」はニセコや沖縄といった著名な観光地でないと事業収支が成立せず、なおかつ空き家問題や地域活性化とはほとんど無関係だったりします。そんな厳しい現実と矛盾の溝を埋めていくことを目的としているのが、「THE HOUSE PROJECT」なのです。
「THE HOUSE PROJECT」のポイントは「日本全国どんな田舎でも、1集落1棟でも成り立つ」ホテルであること。集落の空き家に新たな魅力を付加・創出し、地元集落による運営・サービスを実現して、「集落の自慢になる」、そして「集落の人々と都市住民の交流拠点となる」新たな宿泊施設の形を提案している点にあります。
同様の考え方は民泊や農泊にありますが、それらと圧倒的に違うのは「海外の高級ヴィラ同様のクオリティー」であること。そもそも一般的な古民家ホテルとは全く質が違います。「古民家ホテルが寒い」のはリノベーションにお金をかけていないから。「THE HOUSE」では歴史を引き継いできた古民家をさらに100年、未来に残すため、基礎から断熱まで徹底的なリノベーションを施しています。性能はヨーロッパや北欧並みで、冬でも半袖&裸足で過ごせる省エネルギーの古民家なのです。
さらに里山十帖と同様のコンシェルジュサービス、出張シェフのサービスなども提供しながら、地元のお母さんの優しさ、田舎の優しさに触れ合う宿泊施設であることが最大の特徴です。
古民家は空間ボリュームも大きいのでリノベーション費用も1棟1億円を軽く超えます。当然、宿泊費も高額になり、料金は季節・曜日・人数により1棟30万円〜100万円。超高級ホテルのサービスが必要な価格帯ですが、あえて「表面的なビジネスライクなサービスは不要」と考えて、集落のお母さんに、いつもと同じ言葉で、いつもと同じ服装で、いつもと同じ茶飲み話をしてもらうことをお願いしています。
とくに2023年に開業した2棟目の「SEN」は一度宿泊したお客様がリピーターになることも多く、何より嬉しいのが、集落のお母さんのホスピタリティが超高評価であること。「第二の故郷ができた気がします」「Aman Resortsに通じるホスピタリティを感じました」「こんなに心が安らいだ宿泊は初めてです」「子どもにとって最高の田舎体験になりました」…。
私たち自遊人は、この「村の自慢の古民家ヴィラ」を、全国の集落に作りたいと思っています。朽ちていく運命だった古民家が自慢の施設になる。宿泊する方にとっては「地域の風土・文化・歴史を知る、かけがえのない体験」になる。
投資家、集落、宿泊者の「三方よし」を実現する「THE HOUSE PROJECT」。一緒に日本の未来を作っていきましょう!
Creative Director
岩佐十良